私は普段、オートフォーカス(AF)レンズをほとんど使わない。なぜなら、あまり面白みを感じないからだ。
しかし、たまに使うとその便利さに驚かされることがある。特に子どもと一緒にいるときは、その利便性を強く実感する。
現在、息子はまだ小学生で、一緒に旅行をする際にマニュアルレンズは非常に扱いにくいと感じる。
おととしと昨年の夏、息子とバックパッカーのようなスタイルで約1か月間旅をした。一昨年は韓国、昨年はラオスへ行った。
海外では息子から目を離さないようにするのは当然だが、息子自身も不安を感じるのか、街を歩いているときはずっと私の腕をつかんで離さなかった。それはそれで、勝手にどこかへ行ってしまう心配がなく安心ではあった。
しかし、そのとき使っていたのはマニュアルレンズだったため、片手をふさがれた状態では写真を撮ることが難しかった。やはり、子どもと一緒の海外旅行ではAFレンズの方が圧倒的に便利だ。
今年の夏は息子とインドへ行く予定だ。さすがに息子も小学5年生になるので、もうずっと腕をつかんでいることはないだろう。それでも、片手で素早く撮影できるAFレンズを購入することにした。
そこで選んだのが「TAMRON 24mm F2.8 DI III OSD」だ。
軽量で手頃な価格のものを探していたので、ちょうど条件に合っていた。
正直、画質にはそれほどこだわりはない。
描写について簡単に言うと、単焦点レンズらしくしっかりとした写りをする。
歪曲収差は少しあるが、レンズプロファイルを適用すれば問題ない。私の場合、APS-C機で使うため、レンズプロファイルがなくても気にならないレベルだ。
また、オールドレンズと比べるとコントラストが高く、曇りの日などでもトーンを出しやすいのが良い点だろう。
モノクロの描写に関しては、コントラストが高いぶん、晴れた日にはシャドーの粘りがやや弱く感じるが、曇りの日にはとても良いトーンが出る印象がある。
現代のレンズらしく、モノクロでもクリアでスッキリとした描写をするため、個性的とは言えないが扱いやすい。
最近のレンズはどれも似たような描写をする傾向があり、カラーでは多少の違いがあるものの、モノクロにするとほとんど区別がつかないように感じる。
さらに、このレンズの良さは携帯性にもある。まあまあ軽量コンパクトで、旅行中の持ち運びが苦にならないのは大きなメリットだ。
とはいえ、やはりオールドレンズの独特な味わいも捨てがたい。AFレンズは便利だが、写りが綺麗すぎるというか、どこか均一で面白みに欠ける部分もある。時と場合によっては、あえてオールドレンズを使いたくなることもあるかもしれない。
今年のインド旅行では、このTAMRON 24mm F2.8をメインにするか、やはり小さなマニュアルレンズを持っていこうかとまだ悩んでいる。
旅先でどんな写真が撮れるのか、考えている時が一番楽しい。